「サウナってそもそもどこで生まれたんですか?」——ショールームでお客様からよくいただく質問です。フィンランド発祥であることは知っていても、具体的な歴史を知る機会は少ない。この記事では、2000年以上にわたるサウナの歴史を、フィンランドでの誕生から日本への伝来、そして東北・岩手へのサウナ文化の広がりまで、順を追って解説します。HARVIAとフィンランドサウナの関係、ユネスコ無形文化遺産への登録の背景も含めてご紹介します。
サウナの起源:2000年以上の歴史
サウナ(Sauna)は元々フィンランド語の言葉です。その起源は少なくとも2000年前にさかのぼります。最古の記録では、フィンランドの石器時代の人々が地面を掘り、焼いた石を使って蒸気を作り出す「土穴サウナ」を使用していたとされています。この土穴サウナは、夏には家族の入浴場として、冬には出産の場として、そして食品の薫製小屋としても活用されていました。
フィンランドの古い民謡「カレワラ」(19世紀に編纂されたフィンランドの叙事詩)にもサウナに関する記述が登場します。サウナは単なる入浴設備ではなく、フィンランド人の精神的・文化的なよりどころとして機能してきたのです。
フィンランドにおけるサウナ文化
フィンランドではサウナは「第2の家」といわれるほど、日常生活に深く根づいています。現代においても、その位置づけは変わっていません。
- 人口比:フィンランドの人口550万人に対し、サウナの数は約300万基。国民ほぼ全員が1つ持つ計算になります。
- 多目的な用途:入浴はもちろん、出産の場、冠婚葬祭、会議、選挙活動まで、あらゆる場面でサウナが使われてきました。フィンランドに「サウナで決まらない交渉はない」というほどです。
- フィンランド大使館のサウナ外交:フィンランドの大使館には世界各地にサウナが設置されており、外交の場でも活用されています。
2020年には、フィンランドのサウナ文化がユネスコ無形文化遺産に登録されました。登録された対象は「フィンランドのサウナ文化」全体——入浴の慣習だけでなく、薪を割り、石を温め、ロウリュをおこない、身も心も整える一連の文化的営みが評価されたものです。
HARVIAとフィンランドサウナの歴史
KUUTAが採用するHARVIA(ハルビア)は、1950年にフィンランドで創業したサウナストーブメーカーです。創業者ハンヌ・ハルヴィア(Hannu Harvia)は、当時手作業で石を加熱していたサウナの問題を解決しようと、家庭向けのサウナストーブを開発しました。
HARVIAの画期的な点は、自動温度制御機能を持つ電気サウナヒーターを量産化したことです。「家庭でも本格サウナを楽しんでほしい」という思いで、フィンランド中に自宅サウナを広める立役者となりました。現在HARVIAは世界130カ国以上に製品を展開し、フィンランドサウナストーブ市場のシェアトップメーカーです。有限会社D'STYLEはHARVIAの岩手県正規代理店として、北東北に本格フィンランドサウナを届けています。
日本へのサウナ伝来
1950年代:最初のサウナ
日本に最初のサウナが伝わったのは1950年代のことです。フィンランドのサウナ文化に触れた日本人実業家が東京にいわゆる「フィンランドサウナ」を設置したとされています。ただしこの時代のサウナはごく一部の富裕層や外交関係者が利用するものであり、一般市民にはまだ遠い存在でした。
1964年:東京オリンピックがきっかけ
日本でのサウナ普及に大きな転機をもたらしたのが、1964年の東京オリンピックです。フィンランド選手団が選手村に持ち込んだサウナが話題となり、日本のマスコミで「フィンランド式健康法」として紹介されました。オリンピック競技の合間にサウナでリカバリーするフィンランド選手のパフォーマンスは、多くの日本人に強い印象を残し、その後のサウナブームの起点となりました。
1970〜2000年:スポーツジム・銭湯のサウナ時代
オリンピック以降、スポーツジムや公衆銭湯にサウナが急速に普及します。「昭和のサウナ」として定着したこの時代のサウナは、90〜110℃の高温ドライサウナが主流でした。「男らしく限界まで耐える」「我慢大会」的な使い方が広まり、サウナ本来の健康効果よりも根性論的な側面が強調された時代でもありました。
2010年代後半〜:現在のサウナブーム
2010年代後半、「ととのう」という言葉とともに、正しいサウナの入り方が再発見されます。サウナ→水風呂→外気浴の3ステップによる自律神経への効果が注目され、若い世代を中心にサウナが「ライフスタイル」として再定義されました。フィンランド式のロウリュや、自宅サウナへの関心が急増したのもこの時期です。SNSでのサウナコンテンツの拡散が、全国規模でのサウナブームを後押ししました。
東北・岩手のサウナ文化
東北は元来、温泉文化が根づいている地域です。岩手・秋田・青森は温泉地が多く、「湯治(とうじ)」の文化が江戸時代から続いています。湯治とは温泉地に長期滞在し、温泉の療養効果で病や疲労を癒す慣習で、東北では農閑期の冬に特に盛んでした。
東北の人々にとってサウナは「温泉の延長」として受け入れられやすく、特に2020年以降の自宅サウナブームで急速に普及しています。「近くに温泉はあるけれど、毎日は行けない。家にサウナがあれば」という声が、D'STYLEへの相談の中でも多く聞かれます。
また東北の冬は長く、屋外での活動が制限される季節が続きます。自宅にサウナがあることは、冬の運動不足解消・血行促進・精神的なリフレッシュという意味でも、東北の気候風土にぴったりと合っています。D'STYLEには岩手・青森・秋田各地から「庭に小屋サウナを作りたい」という相談が増加しており、北東北でのサウナ文化はまさに今、新たな章を迎えています。
まとめ:2000年の歴史が今、岩手の庭に
フィンランドで生まれ、2000年の歴史を積み重ねてきたサウナ文化。東京オリンピックをきっかけに日本に根を下ろし、「ととのう」ブームを経て自宅サウナという形に結実しました。HARVIAという世界トップブランドのサウナストーブが、岩手の木で作った小屋の中で焚かれる——その一枚に、フィンランドから続く2000年の歴史が宿っています。
D'STYLEのKUUTA saunaは、その歴史を北東北の気候と暮らしに合わせて届けるために生まれました。盛岡・国道4号線沿いのショールームで、実際に火を体感しながらご相談ください。


