本文へスキップ

SAUNA GUIDE AOMORI / つがる市

屏風山温泉
つがる市の農業地帯、390円で天然温泉と45℃サウナに整う

by 橋本大治(D'STYLE) | 2026年10月

屏風山という名は、山が屏風のように連なる地形から来ているのだろう。つがる市の屏風山地区は、津軽平野の中でも少し起伏のある地形の場所にある。そこに湧く温泉が屏風山温泉で、390円で日帰り入浴とサウナが楽しめる施設だ。男性サウナは45℃、女性サウナは23℃という、青森県の低温サウナの中でも特に穏やかな温度設定になっている。

45℃というサウナ温度は、通常の「高温サウナ」の基準からすると低いと感じるかもしれない。しかし、こうした低温サウナには独自の文化と楽しみ方がある。むつ市の菊の湯(男44℃)や碇ヶ関温泉会館(男55℃)など、青森県には低温サウナを維持している施設がいくつかある。それぞれの温度に対応する体験があり、45℃の屏風山温泉も例外ではない。

つがる市と縄文文化の土地

つがる市は、2021年の「北海道・北東北の縄文遺跡群」世界遺産登録で一気に知名度が上がった地域だ。市内には亀ヶ岡遺跡をはじめとする縄文時代の遺跡が多数あり、縄文時代晩期の土器や土偶が数多く出土している。

亀ヶ岡遺跡は、縄文時代晩期(約3,000年前)の遺跡で、独特の縄文晩期文化「亀ヶ岡文化」の中心地とされている。目のような穴が開いた「遮光器土偶」は亀ヶ岡遺跡の出土品として有名で、日本の縄文文化を象徴するアイコンのひとつだ。

屏風山温泉があるつがる市の農業地帯は、こうした縄文文化の土地と重なっている。農地を耕すと縄文時代の土器のかけらが出てくることもある——そういう場所だ。数千年前から人々が住み続けてきた土地で、温泉に浸かるという行為には、不思議な連続性を感じる。

45℃低温サウナの楽しみ方

45℃のサウナは、「じわじわ温まる」体験だ。高温サウナでは入室してすぐに身体が反応するが、45℃では10〜15分以上かけて徐々に身体が温まっていく。この緩やかな温まり方は、高温サウナが苦手な人や、血圧が高めで急激な温度変化を避けたい人にとって、より安全で快適な選択肢になる。

45℃のサウナの常連は、長時間ゆっくりと汗をかくことを好む人が多い。会話しながら、あるいは静かに目を閉じながら、じっくりと身体の深部まで熱を通す。その後に外の空気(または室内の涼しいエリア)に出ると、じんわりとした整い感がある。高温サウナのような爆発的な爽快感とは異なるが、これも「整い」のひとつの形だ。

45℃の世界は、高温サウナとは別の時間軸で動いている——そこにある生活の匂いと、ゆっくりと溶けていく疲れ。

女性サウナが23℃という設定は、サウナというよりミストサウナに近い温度帯だ。「スチームサウナ」や「低温多湿サウナ」として設計されている可能性がある。湿度が高い状態での低温サウナは、皮膚への刺激が少なく、美容目的で使う人も多い。

農業地帯の温浴施設としての屏風山温泉

つがる市は稲作と野菜、そしてリンゴの産地だ。農業従事者が多い地域では、身体を使う仕事の疲れを取ることが温浴施設の主な役割になる。屏風山温泉も、そういった農村の日常に根ざした施設として機能している。

390円という価格は、地域住民が日常的に利用できる料金設定だ。週に何度か訪れる常連が多く、サウナも「週1回の習慣」として使われている——そういう使われ方がこうした農村の温浴施設の典型だ。

季節によって施設の雰囲気も変わる。農繁期(春の田植え・秋の収穫)には農作業帰りの利用者で混み合い、農閑期には時間をかけてゆっくり利用する人が増える。45℃というサウナの温度設定は、長時間ゆっくり使う農閑期の過ごし方にも合っている。

同市の稲垣温泉ホテル花月亭との比較

同じつがる市内にある稲垣温泉ホテル花月亭は、男性サウナが100℃・女性70℃という対照的に高温の施設だ。屏風山温泉(男45℃)と花月亭(男100℃)——この二施設を比較するだけで、「サウナ温度」という概念の幅広さがわかる。

サウナ温度の好みは人によって大きく異なる。45℃が「ちょうどいい」と感じる人もいれば、「物足りない」と感じる人もいる。100℃を「本物のサウナ」と感じる人もいれば、「熱すぎて辛い」と感じる人もいる。つがる市には、その両端が揃っているというわけだ。

旅行者として両施設を1日で体験する——午前中に屏風山温泉でゆっくりと45℃サウナに入り、午後に稲垣温泉ホテル花月亭で100℃の高温サウナを体験する、という旅程もユニークかもしれない。ただし体への負担も考え、無理なく計画してほしい。

アクセスと周辺の見どころ

屏風山温泉へのアクセスは、五所川原市から車で30分前後。つがる市木造地区(市役所・亀ヶ岡遺跡周辺)から15〜20分程度の場所にある。公共交通機関でのアクセスは限られているため、車でのアクセスが基本になる。

周辺の見どころとして、亀ヶ岡遺跡と縄文住居展示資料館カルコ(つがる市)は外せない。世界遺産の構成資産として整備されており、縄文時代の住居跡や出土品を見学できる。屏風山温泉とセットで訪れれば、つがる市の歴史と自然を1日で体験できる。

サウナ(男)45℃
サウナ(女)23℃
料金390円

FACILITY DATA

施設名屏風山温泉
住所青森県つがる市
種別日帰り温浴施設(温泉・サウナ)
料金(日帰り)390円
サウナ男45℃ / 女23℃
水風呂要確認
男女男女あり
駐車場あり
アクセス五所川原市から車で約30分 / 木造駅よりタクシー
備考営業日時・休館日は事前確認推奨

縄文遺跡の土地で、390円の低温サウナに入る。そこにある日常の温かさと、農村の時間の流れが、都市部のサウナとは異なる体験をもたらす。つがる市を訪れる機会があれば、屏風山温泉のゆっくりとした低温サウナを体験してみてほしい。

橋本大治
橋本大治(有限会社D'STYLE 代表)

盛岡市を拠点に、HARVIAサウナヒーターの販売・施工・コンサルティングを30年以上手がける。フィンランド・エストニア・リトアニアなど北欧・バルト諸国のサウナを定期的に視察。岩手・青森・秋田を中心に東北各地のサウナ施設を実際に訪れ、地元の空気を体で知っている。

サウナ・薪ストーブ・ペレットの対応エリア岩手県・青森県・秋田県の全域と、宮城県・山形県の一部エリアに対応しています(県名をタップで市町村一覧)。

岩手県全域+
盛岡市・宮古市・大船渡市・花巻市・北上市・久慈市・遠野市・一関市・陸前高田市・釜石市・二戸市・八幡平市・奥州市・滝沢市・雫石町・葛巻町・岩手町・紫波町・矢巾町・西和賀町・金ケ崎町・平泉町・住田町・大槌町・山田町・岩泉町・軽米町・洋野町・一戸町・田野畑村・普代村・野田村・九戸村
青森県全域+
青森市・弘前市・八戸市・黒石市・五所川原市・十和田市・三沢市・むつ市・つがる市・平川市・平内町・今別町・外ヶ浜町・鰺ヶ沢町・深浦町・藤崎町・大鰐町・板柳町・鶴田町・中泊町・野辺地町・七戸町・六戸町・横浜町・東北町・おいらせ町・大間町・三戸町・五戸町・田子町・南部町・階上町・蓬田村・西目屋村・田舎館村・六ヶ所村・東通村・風間浦村・佐井村・新郷村
秋田県全域+
秋田市・能代市・横手市・大館市・男鹿市・湯沢市・鹿角市・由利本荘市・潟上市・大仙市・北秋田市・にかほ市・仙北市・小坂町・藤里町・三種町・八峰町・五城目町・八郎潟町・井川町・美郷町・羽後町・上小阿仁村・大潟村・東成瀬村
宮城県県北〜仙台・名取+
仙台市・名取市・多賀城市・塩竈市・富谷市・大崎市・栗原市・登米市・石巻市・気仙沼市・利府町・七ヶ浜町・松島町・大和町・大郷町・色麻町・加美町・涌谷町・美里町・女川町・南三陸町・大衡村
山形県最上・村山を中心に+
新庄市・金山町・最上町・舟形町・真室川町・大蔵村・鮭川村・戸沢村・山形市・寒河江市・上山市・村山市・天童市・東根市・尾花沢市・山辺町・中山町・河北町・西川町・朝日町・大江町・大石田町

対応市町村の詳細・現地調査について →

HARVIA SAUNA

低温から高温まで——自宅サウナで理想の温度を選ぶ

45℃から100℃まで、自分好みの温度に設定できるのが自宅サウナの魅力。
HARVIAのヒーターなら、温度を自在にコントロールできます。

自宅サウナを見る → ショールームへ →