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SAUNA GUIDE AOMORI / 野辺地町

亀の井ホテル 青森まかど(野辺地町)
まかど温泉の老舗リゾートで、むつ湾を望むサウナ体験

by 橋本大治(D'STYLE) | 2026年10月

上北郡野辺地町は、青森市とむつ市のほぼ中間に位置する上北地方の小さな町だ。陸奥湾(むつ湾)に面した湾岸の町として、かつては漁業が盛んだった。町の南部には「まかど温泉」という温泉地があり、その中心施設のひとつが「亀の井ホテル 青森まかど」だ。

亀の井ホテルは九州を中心に展開する温泉旅館チェーンで、老舗・廃業危機にある旅館を買収・再生することで知られる。青森まかどは「まかど観光ホテル」として長年営業してきた施設を亀の井ホテルがリブランドしたものだ。まかど観光ホテルは青森県内でも歴史のある温泉リゾートとして知られており、東北・北海道からの団体旅行客を多く受け入れてきた施設だった。

まかど温泉と野辺地町の温泉文化

まかど温泉は野辺地町の南部、丘陵地帯に湧く温泉地だ。「まかど」という地名は古くからこの地に伝わるもので、地形や歴史に由来すると思われる。温泉の泉質はナトリウム塩化物泉(食塩泉)で、体が温まりやすく保温効果が高い。「熱の湯」とも称される塩化物泉は、冷え性・筋肉痛・リウマチなどに効果があるとされる。

野辺地町周辺はむつ湾からの湿った海風と、内陸部の山地からの冷気が交差する地域で、冬の気候は厳しい。そういう環境の中で湧く温泉は、地域の人々にとって特別な意味を持つ。農業・漁業を生業とする人々が、疲れた体を温泉で癒す——その歴史がまかど温泉を育ててきた。

野辺地町は歴史的には「野辺地戦争(1868年)」の地としても知られる。戊辰戦争の際に南部藩と津軽藩が対峙した場所で、この小さな町が東北の歴史の転換点のひとつとなった。明治以降は鉄道が開通し(現在の青い森鉄道・野辺地駅)、交通の要衝として発展した。まかど温泉はそういう歴史ある町の奥に湧く、静かな温泉地だ。

亀の井ホテルのサウナと大浴場

亀の井ホテル 青森まかどの大浴場は、まかど温泉の源泉を引いた露天風呂・内湯が特徴だ。サウナは大浴場内に設置されており、ホテル宿泊者が利用できる。日帰り入浴についても受け付けている時間帯がある(要確認)。

サウナ温度は40℃前後の設定で、温泉旅館のサウナとして一般的な範囲の低温域だ。旅館・ホテルのサウナは公衆浴場型のサウナと異なり、「宿泊体験の一部」として機能している。夕食前に大浴場で体を整え、サウナで軽く汗をかき、温泉でゆっくり浸かってから夕食へ——あるいは、夜の入浴後にサウナで一仕上げして就寝——そういうリズムが旅館サウナの正しい使い方だ。

「まかどの湯から見えるむつ湾の光景。温泉に浸かりながらその景色を眺める時間が、旅の疲れをすべて洗い流してくれる」

むつ湾を望む立地と景観

亀の井ホテル 青森まかどの大きな魅力のひとつは景観だ。施設は高台に位置し、むつ湾(陸奥湾)を見下ろす眺望がある。むつ湾は三方を青森半島・下北半島・津軽半島に囲まれた内湾で、波が穏やかな閉鎖的な海域だ。この湾でホタテの養殖が盛んに行われており、青森県はホタテの主要産地として全国に知られている。

晴れた日のむつ湾は穏やかな青をたたえ、対岸の下北半島の山々(恐山・釜臥山)が霞んで見える。夕暮れ時には湾面がオレンジ色に染まる光景が美しく、温泉の露天風呂からその景色を眺めることができれば、それは青森の旅の記憶に深く刻まれるだろう。

野辺地町周辺には、青森市(西方)・むつ市(東方)・十和田市(南方)へのアクセスがある。下北半島への玄関口としての機能も持つ野辺地で一泊し、翌日恐山・仏ヶ浦・大間崎など下北の名所を巡る旅のプランも魅力的だ。そういう旅の拠点としての機能が、まかど温泉の亀の井ホテルには備わっている。

亀の井ホテルの特徴と再生の取り組み

亀の井ホテルの運営哲学は「老舗旅館の文化を守りながら、現代のニーズに合わせてアップデートする」というものだ。大規模な建て替えより既存施設のリノベーションを重視し、地域の食材・文化を活かした滞在体験を提供することに力を入れている。

まかど観光ホテルが持っていた「青森の自然と温泉に囲まれたリゾート」というコンセプトは、亀の井ホテルとしてのリブランド後も引き継がれている。むつ湾の眺望・まかどの天然温泉・青森の食材を使った料理——これらは地域固有の価値であり、どこにでも作れるものではない。

D'STYLEスタッフとして訪れた際に感じたことは、旅館のサウナが「旅全体の体験の一部」として機能している時の充実感だ。施設単体でサウナを評価するよりも、温泉・食事・景色・サウナが統合した体験として評価する視点が旅館サウナには必要だ。亀の井ホテル 青森まかどは、そういう統合された体験を提供できるポテンシャルを持つ施設だ。

野辺地町というあまり観光地として注目されない場所に、こういった宿泊施設が存在することは、地域の観光資源として大切に育てられるべきだ。むつ湾ホタテ・野辺地の農産物・まかどの温泉——それらを束ねる体験を求めて、全国から旅人が訪れる場所になってほしいと感じている。

サウナ40℃前後
温泉塩化物泉

FACILITY DATA

施設名亀の井ホテル 青森まかど(旧:まかど観光ホテル)
住所青森県上北郡野辺地町まかど温泉
アクセス青い森鉄道「野辺地駅」から車で約10〜15分 / 東北自動車道・野辺地ICより
利用形態宿泊・日帰り入浴(時間帯要確認)
サウナ大浴場内設置(温度は施設に確認)
温泉泉質ナトリウム塩化物泉(まかど温泉)
景観むつ湾(陸奥湾)を望む高台
予約亀の井ホテル公式サイトまたは旅行会社
橋本大治
橋本大治(有限会社D'STYLE 代表)

盛岡市を拠点に、HARVIAサウナヒーターの販売・施工・コンサルティングを30年以上手がける。北東北の温泉旅館・ホテルを定期的に視察・訪問している。

サウナ・薪ストーブ・ペレットの対応エリア岩手県・青森県・秋田県の全域と、宮城県・山形県の一部エリアに対応しています。

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