湯沢市は秋田県南部の内陸に位置し、奥羽山脈の懐に深い渓谷と豊富な温泉を抱えるエリアだ。稲庭うどん発祥の地として食の文化的背景も厚く、秋の宮温泉郷・小安峡温泉・泥湯温泉と三つの異なる性格の温泉地を持つ。それぞれが個性的で、単なる温泉巡りにとどまらない体験が期待できる。
このエリアのサウナは「温泉地の中にあるサウナ」という性格が強い。泉質との組み合わせや山深い環境が、他のエリアにはない独自の体験をつくる。秋の宮・小安峡・泥湯の三エリアを一日で回ることは難しいが、それぞれに異なる個性があるため、何度でも訪れる理由がある。
① 稲住温泉(秋の宮温泉郷)
湯けむりの宿 稲住温泉
| 住所 | 秋田県湯沢市皆瀬字秋の宮1 |
|---|---|
| サウナ | 105℃ |
| 水風呂 | 11℃ |
| 外気浴 | あり |
| 利用 | 宿泊者向け(日帰り利用は要確認) |
秋田県南部の山間に広がる秋の宮温泉郷の老舗旅館。サウナ105℃・水風呂11℃という温度差が、温冷交代浴の深みをつくる。11℃の水風呂は秋の宮の冷たい山の水を活かしたものと思われ、温泉との温冷交代で「ととのい」の深度が違う。秋の宮温泉郷は複数の旅館が点在する温泉集落で、古くから湯治場として栄えてきた。稲住温泉はその中でも規模のある宿で、宿泊者向けのサウナとして秋の宮を訪れる際の宿泊先候補として価値が高い。
② OYASU SAUNA(小安峡)
OYASU SAUNA(オヤスサウナ)
| 住所 | 秋田県湯沢市皆瀬小湯ノ上76-10 |
|---|---|
| サウナ | 薪トレーラーサウナ 90℃・セルフロウリュ |
| 水風呂 | 14℃ |
| 外気浴 | あり |
| 料金 | 12,000円〜(1〜4名・2時間15分) |
| 営業 | 10:00 / 13:00 / 16:00(各回入替制) |
小安峡温泉の大自然の中に設置された完全貸切型のアウトドア薪サウナ。トレーラー型のサウナ小屋を薪で温め、セルフロウリュを楽しみながら14℃の冷水で締める構成だ。小安峡は湯沢市皆瀬地区にある峡谷で、岩肌から熱湯が湧き出す「大噴湯」が見どころだ。峡谷の絶壁・轟音・熱湯という原始的な環境の中で、薪サウナの煙と蒸気が混ざり合う体験は他のエリアでは作れない。1〜4名の貸切・2時間15分・12,000円という設定は、グループや夫婦・カップルの特別な時間に向く。
③ 泥湯温泉(小椋旅館・奥山旅館)
泥湯温泉
| 住所 | 秋田県湯沢市高松字泥湯沢 |
|---|---|
| 特徴 | 硫黄・亜硫酸ガス噴出地帯の極限秘湯 |
| 泉質 | 強酸性硫黄泉(pH1〜2台) |
| 料金 | 日帰り 800円~(要確認) |
| 営業 | 10:30〜14:30(要確認) |
泥湯温泉は日本有数の強酸性硫黄泉として知られる、湯沢市山中の秘湯中の秘湯だ。湯沢市の山奥、奥羽山脈の斜面に湧く硫黄泉はpH1〜2台という強烈な酸性で、入浴後の肌に硫黄の香りがまとわりつく。亜硫酸ガスが噴出しているため有毒ガス注意の看板が立つ、まさに地球の生々しさを感じる場所だ。サウナ設備の有無は旅館によって異なるが、泥湯温泉自体が「温泉と熱の体験」として他のサウナ施設には代えられない体験を提供する。温泉ファン・サウナー双方に訪れる価値がある場所だ。
④ リフレッシュ交流センター ほっと館
リフレッシュ交流センター ほっと館
| 所在地 | 湯沢市下院内エリア |
|---|---|
| 営業時間 | 9:00〜21:00 |
| 料金 | 500円〜 |
| サウナ | あり |
湯沢市下院内エリアに位置する日帰り温浴施設。岩盤浴も備えており、500円からという手頃な価格で複合的な温浴体験ができる。9時から21時という長い営業時間もあって、日中の観光帰りにも使いやすい。地元住民が日常的に通う施設で、温泉地の生活感を感じながら入浴できる。
⑤ 小安峡温泉(こまくさ・松葉館ほか)
小安峡温泉 各施設
| 所在地 | 湯沢市皆瀬小安峡温泉郷 |
|---|---|
| 料金 | 500〜600円〜(施設により異なる) |
| サウナ | 施設により異なる |
OYASU SAUNAが位置する小安峡温泉郷には、こまくさ・松葉館などの温泉旅館が点在しており、日帰り入浴を受け付けている施設もある。こまくさは10:00〜15:00・500円〜、松葉館は8:00〜20:00・600円〜と施設によって時間帯と料金が異なる。大噴湯見学と組み合わせた日帰りプランの中で立ち寄る選択肢として活用できる。
⑥ 秋の宮温泉郷(宝寿温泉・秋の宮山荘ほか)
秋の宮温泉郷 各旅館
| 所在地 | 湯沢市秋の宮温泉郷 |
|---|---|
| 代表施設 | 秋の宮山荘・宝寿温泉・鷹の湯温泉ほか |
| 料金 | 500円〜(施設により異なる) |
| サウナ | 施設により異なる(秋の宮山荘など) |
稲住温泉が位置する秋の宮温泉郷には9軒の旅館が点在している。秋の宮山荘など複数の施設がサウナを備えており、日帰り入浴も受け付けている。宝寿温泉は10:00〜15:00・500円〜で気軽に立ち寄れる。稲住温泉の宿泊プランを軸に、温泉郷内の複数施設を梯子する旅のスタイルが楽しめるエリアだ。
⑦ やまゆり温泉 ホテルブラン(東成瀬村)
やまゆり温泉 ホテルブラン
| 所在地 | 秋田県雄勝郡東成瀬村 |
|---|---|
| サウナ | あり |
| 料金 | 500円〜 |
東成瀬村はいわて花巻空港・岩手県との県境に近い山間の村で、清流・成瀬川の源流域に位置する。やまゆり温泉 ホテルブランは村内に立地する宿泊施設で、日帰り入浴も受け付けている。東成瀬村には井戸端サウナ(軽トラ移動式薪サウナ)という個性派施設もあるが、やまゆり温泉 ホテルブランは設備型の温浴施設として、異なる選択肢を提供する。料金は500円台から利用できる。成瀬ダム建設で注目が集まる東成瀬村を訪れる際の立ち寄りに向いている。
湯沢・雄勝エリアのサウナをどう使うか
このエリアは「温泉地のサウナ」として秋田内陸南部の深みを楽しむ場だ。効率よく整えるよりも、温泉と渓谷と自然の中に浸かることが目的になる。
一泊二日のプランなら、初日に秋の宮温泉郷・稲住温泉に宿泊してサウナと温泉を楽しみ、翌日に小安峡のOYASU SAUNAを貸切で予約するという流れが充実した内容になる。泥湯温泉は途中に立ち寄るか、別途日帰りで訪れるのが現実的だ。
湯沢市の北に隣接する羽後町には、築180年の商家蔵を改装したbon-sauna U(105℃/地下水13℃)がある。西馬音内盆踊りのアロマを使ったロウリュという唯一無二の施設で、湯沢・雄勝エリアと組み合わせた秋田南部サウナ旅の軸になる。