YOMIMONO / 天気と安全 STORM

嵐の日は、
休む勇気を。

文・有限会社D'STYLE|岩手・盛岡の薪ストーブとサウナの店

公開日:2024年9月27日 / 最終更新日:2026年8月1日

雨の日はサウナ日和、と書きました。では、嵐の日はどうでしょう。雷が鳴る夜、暴風の日、記録的な大雪。庭のサウナは自然の中の遊びですから、自然が牙をむく日との付き合い方も、知っておく必要があります。今日は、少し真面目な、休む勇気の話です。

雷の日は、屋外をやめる

まず、雷。ゴロゴロと聞こえはじめたら、屋外の外気浴と水風呂は、その時点で終了です。開けた庭に、濡れた体で立つことは、雷の日にいちばん避けたい行動のひとつ。防災の世界でよく言われる目安が「30・30ルール」です。稲光が見えてから雷鳴まで三十秒以内なら、雷はもうすぐそこ。そして最後の雷鳴から三十分は、屋内で待つ。屋外サウナ小屋への行き来も、雷が近いときは控えてください。「サウナ室の中にいれば平気だろう」と粘るより、雷注意報の夜は家の中のお風呂に切り替えて、サウナは翌日の楽しみに取っておく。自然相手の遊びの、潔い作法です。

暴風の日の、薪式の判断

次に、強風。電気式のサウナヒーターは風の影響をほぼ受けませんが、薪ストーブ式は話が別です。暴風の日は、煙突の中の空気の流れ(ドラフト)が乱れて、逆流や燃焼の不安定が起きやすくなります。ビル風のように、まわりの建物や地形で風が巻くと、煙が下へ押し戻されることもある。台風並みの風の予報が出ている日は、薪式の焚きはじめを見送るのが無難です。家の薪ストーブも同じで、強風の日は空気調整をこまめに見て、いつもと違う燃え方をしたら無理をしない。煙の匂いが室内に戻るようなら、いったん火を落とす判断も大切です。風がおさまってからの一服のほうが、ずっとうまい。(煙突と風の関係は、煙突の話もどうぞ。)

大雪の夜の、二つの確認

そして、岩手らしい大雪。どか雪の日のサウナは最高ですが、確認が二つあります。一つ、屋外機器や小屋の吸気口・排気口が、雪で塞がれていないか。給排気は、燃焼と換気の命綱です。夜のうちに三十センチ積もることもある岩手ですから、雪かきのついでに、必ず口元を確認してください。二つ、小屋までの動線の除雪と滑り止め。火照った体でつるりと転ぶのが、雪の夜のいちばんの事故です。サンダルではなく、底のしっかりした履物を。冷めた灰をまいておくと、滑り止めにも雪解けにもなります。この二つさえ守れば、大雪の夜は、最高の雪見サウナの夜になります。(雪の夜の楽しみは、サウナ歳時記。)

凍える朝は、水回りをいたわる

岩手の真冬には、嵐とはまた違う、静かな試練もあります。放射冷却の朝の、厳しい冷え込みです。屋外の水風呂やホース、蛇口は、油断すると凍りつきます。氷点下十度を下回る夜が予報されたら、使わない水は前夜のうちに抜いておく。これだけで、朝の「あっ、凍ってる」を、ずいぶん減らせます。凍結は、事故というより、段取りで防げるもの。寒さと張り合うのではなく、寒さの癖を覚えて、先回りする。長く付き合ううちに、その土地ごとの冷えの読み方が、自然と身についていきます。

休む日があるから、いい日が輝く

サウナも薪ストーブも、自然の力を借りる道具です。借り物である以上、貸し主の機嫌の悪い日は、深追いしない。この距離感が、長く安全に楽しむ人の共通点です。無理をして入った一回より、荒天を見送って翌日ゆっくり入る一回のほうが、ずっと記憶に残ります。嵐の夜は窓の内側で、荒れる空を眺めながら、薪をくべて明日の晴れたサウナを楽しみにする。天気に振り回されるのではなく、天気に合わせて遊びを選ぶ。それもまた、火のある家のいい時間です。

安全ごと、お渡しします

岩手・盛岡のD'STYLEは、ハルビア岩手県正規代理店として、岩手の気象を前提にした設置と、天候ごとの使い方の目安まで、まるごとお渡ししています。自然と長く付き合う道具です。正直な注意も添えて。ご相談、いつでもどうぞ。

写真: Tero Karppinen from Finland (Wikimedia Commons, CC BY 2.0)

D'STYLE
橋本 大治(有限会社D'STYLE 代表)

住田町の山主だった祖父から三代、火と生きてきました。英国RODTECH社認定の煙突掃除 安全インストラクター(東北第一号)。盛岡・国道4号線沿いのショールームにいます。

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