サウナを出た直後、体からまだ熱が出ている。外の空気が冷たく、肌に当たる。そのとき自然と顔が上を向く。岩手の冬の空は、澄んでいる日は星が多い。
「ととのう」という言葉は今では広く知られているが、その感覚を最初に経験した人たちは、フィンランドの湖畔や雪原の中でそれを知った。サウナを出て、冷たい外気の中に立つ。体の表面は熱く、空気は冷たい。その境界に、妙な静けさがある。考えが止まるというより、考えなくてよくなる、という感じだ。
自宅にサウナを作ったお客様から、冬に外に出て空を見るのが習慣になったという話を聞いた。以前は冬の夜に外へ出ることはなかったのに、今は出たくなる。サウナがあるから外が変わった。そういうことが起きる。