「碇ヶ関」という地名を聞いたことがあるだろうか。現在は平川市の一地区だが、この地は江戸時代に奥州街道の要衝「碇ヶ関関所」が置かれた場所だ。青森県側から南下して秋田方面へ、あるいは逆に北上して津軽に入る際、旅人がここで通行手形を確認された。歴史的に交通の要所だったこの地に、現代では「道の駅いかりがせき」が設けられ、その中に「関の庄温泉」が併設されている。
道の駅の温泉施設というと、ドライブのついでに寄る簡易的な施設をイメージする方も多いかもしれない。しかし関の庄温泉は、地元の人々の日常的な利用施設として機能している。大人400円という料金は、日帰り入浴施設としてリーズナブルで、道の駅としての利便性と地域の銭湯機能を兼ねている。
55℃サウナの特徴と低温サウナの楽しみ方
サウナ温度は55℃と、一般的なドライサウナ(80〜100℃)よりも大幅に低い温度設定だ。これは「低温サウナ」に分類される。低温サウナは体への負担が少なく、長時間ゆっくりと座ることができる。高齢者・心臓に不安のある方・サウナ初心者にも入りやすく、温泉地の公衆浴場や道の駅温泉で採用されることが多い。
低温サウナは「じわじわ汗をかく」タイプの体験だ。高温サウナのように短時間で一気に汗が噴き出るのとは異なり、10〜20分かけてゆっくりと体の芯から温まっていく感覚がある。体感的には「蒸し風呂」「遠赤外線サウナ」に近い感覚で、温泉施設との組み合わせとしては理にかなっている。温泉で体が温まった状態でサウナに入ることで、発汗が促され、老廃物の排出や血行促進が期待できる。
「55℃のサウナは、焦らず急かさず、ただゆっくりと体を解きほぐす。碇ヶ関の山の静けさに合った温度だと思う」
碇ヶ関の歴史と地域の背景
碇ヶ関関所は江戸幕府が設けた「奥羽三関」のひとつで(他の二関は秋田の釈迦内と白河の白河関)、東北への出入りを管理する重要な検問所だった。特に「女性の入出」を厳しく管理する「入り鉄砲に出女」の原則が徹底されており、通行証なく女性が関所を抜けようとすれば重罰に処された。そういう時代の名残が、地名「碇ヶ関」に刻まれている。
現在の平川市は2006年に平賀町・尾上町・碇ヶ関村が合併して誕生した市だ。碇ヶ関はかつて単独の村だったが、合併によって平川市の一部となった。リンゴの産地として知られる平川市の中で、碇ヶ関は山間部の自然豊かな地区として知られている。矢立峠を越えると秋田県大館市に至り、国道7号が通る交通の要路だ。
碇ヶ関温泉は古くから知られた温泉地だ。山の中に湧く温泉は、かつての旅人も関所通過後に一息ついた場所だったかもしれない。現代の道の駅温泉は、そういう歴史の積み重なりの上に成り立っている。
道の駅温泉としての利用スタイル
「道の駅いかりがせき」は国道7号沿いに位置し、秋田方面へのドライブ途中や、大鰐・弘前方面からのアクセスも良い。道の駅の施設には地元産品の物産販売があり、農産物・加工品・土産物が揃う。食事処も併設されていることが多く、ドライブの休憩とセットで温泉とサウナを楽しめる。
D'STYLEのスタッフも東北各地を移動する際に道の駅温泉を活用している。長時間の運転で凝り固まった体を、道の駅の温泉で解きほぐす——これが地方の道の駅温泉の真骨頂だ。特に冬期、積雪の中を長距離運転した後に入る温泉は格別の疲労回復効果がある。
関の庄温泉の55℃サウナは、そういう「ドライブ後の疲れを取る」目的に最適だ。高温サウナほど体力を消耗せず、じんわりと体を温め、温泉と組み合わせることで全身の血行が良くなる。食事処で定食を食べ、温泉に浸かり、低温サウナで体を仕上げて、また車に乗る——そういうリズムが旅の疲れを取り除いてくれる。
碇ヶ関温泉の泉質
碇ヶ関温泉の泉質はアルカリ性の単純泉系が多い。硫黄臭は強くないが、入浴後に肌がすべすべとした感触になる。いわゆる「美人の湯」と呼ばれるアルカリ性の温泉は、肌の余分な皮脂を落とし、保湿効果をもたらすと言われている。山間の温泉特有の静かな環境の中で、こういう肌に優しい温泉に浸かれることが、道の駅温泉の贅沢だ。
平川市周辺の温泉は、大鰐温泉・平川温泉など複数の温泉地がある。この地域一帯が温泉に恵まれた地域であることがわかる。津軽の内陸部は火山性の地熱が豊富で、各地に温泉が点在している。そういう地域の地理的特性が、道の駅温泉というかたちで現代の旅人にも恩恵をもたらしている。
FACILITY DATA
| 施設名 | 道の駅いかりがせき 関の庄温泉 |
|---|---|
| 住所 | 青森県平川市碇ヶ関(詳細は施設にご確認ください) |
| アクセス | 国道7号・碇ヶ関地区 / 東北自動車道・大鰐弘前ICより約20分 |
| 大人料金 | 400円 |
| サウナ | 55℃(低温サウナ) |
| 施設種別 | 道の駅併設温泉・日帰り入浴 |
| 定休日 | 施設にご確認ください |
| 備考 | 物産販売・食事処も併設 |