サウナを目当てに旅をする「サ旅」。全国のサウナーが名施設を巡礼するこの文化に、私たちは声を大にして言いたい。岩手、来てください。今日は、県外の友人にサ旅先として岩手を薦めるときの、口説き文句と旅の組み立てです。三百十五本目の締めくくりに、観光大使の気分で書きます。

岩手がサ旅の適地である、四つの根拠
口説き文句は四つあります。一、外気。冬の氷点下の外気浴、夏でも涼しい高原と海霧の浜。外気浴の質で、岩手は全国トップクラスです。二、水。雪解け由来の水は、水風呂の質に直結します(水の話)。三、湯の文化。花巻や八幡平の温泉群、湯治の伝統(こちら)。サウナと名湯のはしごが、一日でできる。四、飯。三大麺、海の幸、りんご、地ビール。サ飯のレベルが、そもそも観光級です(三大麺の話)。
氷点下の外気浴という、ごちそう
四つの根拠のなかでも、県外の人がいちばん驚くのが、冬の外気浴です。頬を刺す氷点下の空気、雪の照り返す静けさ、湯気を立てながら見上げる星空。都会のサウナでは望めない、雪国だけの外気浴が、岩手にはふつうにあります。夏は夏で、八幡平や岩手山麓の高原、三陸の海霧の涼しさが待っている。外気浴は、外の空気そのものがごちそうです。その空気の質でいえば、岩手は黙っていても強い。氷点下の外気浴を一度体験した県外サウナーは、たいてい「岩手、ずるい」と言います。その一言が聞きたくて、案内しているところがあります。
モデルコースは、雪の季節に
おすすめは、あえて冬。初日、盛岡に昼到着、じゃじゃ麺で腹ごしらえして、市内と近郊の湯とサウナへ。夜は冷麺と地ビール。二日目、雪見の温泉地へ足を延ばし、雪の露天と外気浴の「本場の冬」を体験。わんこそばに挑むならこの日です。三日目、雫石や八幡平の雪景色を眺めて、土産に南部鉄器と地場のりんごを。名湯と蒸気と麺を、無理なく三日で巡れるのが、この土地の強みです。移動の車窓を流れる雪山も、旅のごちそうのうちに入ります。日程に一日足せるなら、平泉の金色堂や、龍泉洞の青い水を挟むのもおすすめ。歴史と自然と蒸気が、無理なく一本の線でつながる土地です。
サ飯が、旅を一段おいしくする
そして、岩手のサ旅は、飯で完結します。ととのって研ぎ澄まされた舌に、盛岡冷麺の冷たいコシ、じゃじゃ麺の肉味噌、わんこそばの勢い。三陸の牡蠣やうに、前沢牛、地の野菜、県内各地の地ビール。サウナ後の体が求める塩気と温かさを、この土地の食は難なく満たします。外食のサ飯だけで、もう一泊したくなる。「蒸気を追いかけて来たのに、飯の記憶で帰る」。それくらい、岩手の食は旅の主役を張れます。朝は宿の郷土料理、昼は屋台や食堂、夜は居酒屋の地魚と地酒。三食すべてが土地の物語になる旅は、そうそうありません。土産の南部鉄器で、帰った家でも岩手の白湯が沸きます。
締めの裏技は、友人宅のサウナ
最後に、とっておきの裏技です。岩手に、自宅サウナを持つ友人がいる場合。旅の締めは、その家のサウナに招いてもらうのが最強です。施設では味わえない、暮らしの中の蒸気。雪の庭の外気浴、家のサ飯、夜更かしの語らい。「観光で来て、暮らしを体験して帰る」旅は、記憶の残り方が違います。つまり、あなたの家にサウナがあると、あなた自身が、友人たちの旅の目的地になるのです(もてなしの話)。
目的地になる家を、つくりませんか
岩手・盛岡のD'STYLEは、ハルビア岩手県正規代理店として、「友人が泊まりに来る理由」の設置をお手伝いしています。サ旅の受け入れ拠点、あなたの庭にどうぞ。ご相談、いつでもお待ちしています。蒸気を求めて北へ来る人を、一緒に迎えましょう。
写真: JKestilä (Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0)


