YOMIMONO / サウナと肌 SKIN & BEAUTY

サウナと肌の、
完全ガイド。

文・橋本大治(D'STYLE 代表)|読了目安 8分

公開日:2024年5月16日 / 最終更新日:2026年9月27日

「サウナから出たあと、肌がつるんとする」。あの感覚には、ちゃんと理由があります。サウナは肌にとって、いちばん優しい洗顔の時間です。汗が毛穴を内側から掃除し、血のめぐりが肌を明るくし、上がったあとのケアが仕上げをする。この一連の流れを、まとめて書いておきます。

サウナと肌の関係:汗のディープクレンジング

サウナに座って十数分。じんわりと湧いてくる汗が、実はとても働き者です。毛穴の奥にたまった皮脂、古い角質、外から付いた汚れ。それらを、内側からゆっくりと押し流していきます。指でこすれば肌の表面はどうしても傷つきますが、汗は力をひとつも入れずに毛穴の奥から汚れを溶かし出してくれます。体温を使ったディープクレンジングです。

熱がもたらすのは、汗だけにとどまりません。体が温まると皮膚の血管がひらいて、酸素と栄養が肌のすみずみまで運ばれます。くすみが晴れて、ほんのり血色がのぼる。あの「サウナ上がりの顔」は、めぐりが良くなった証です。さらに、サウナに入るとストレスホルモンのコルチゾールが下がるという報告があります。コルチゾールが増えすぎると肌荒れやニキビの引き金になるので、心がほどければ肌も落ち着く。案外、そういうものです。

いい汗をかける体のつくり方:休眠汗腺を起こす

「汗をかかない体質です」。サウナのご相談で、時々聞く言葉です。実は、これは逆。汗をかきにくい人ほど、サウナの出番です。

私たちの体には何百万という汗腺がありますが、ふだん汗をかく機会が少ないと、汗腺は「出番がない」と判断して休眠していきます。一年じゅう空調のきいた部屋で過ごす暮らしは、汗腺の失業時代。使われない汗腺が増えるほど、体は熱を外に逃がすのが下手になり、少しの暑さでばてやすくなります。

眠った汗腺を起こす方法は単純で、汗をかく機会を定期的につくること。週に何度かサウナでしっかり汗をかく習慣を続けると、汗腺は少しずつ目を覚まし、汗の出はじめが早く、量もスムーズになっていきます。最初は全然汗が出なかった方が、ひと月もすると「こんなに出るようになった」と驚かれる。私たちが何度も見てきた変化です。

汗には質があります。よく働く汗腺がかく汗は、水に近い、さらさらの汗。すぐ蒸発して体をよく冷やし、においも残りにくい。いっぽう休眠あけの汗腺の汗は、ミネラルを多く含んだべたつく汗。蒸発しにくく、においのもとにもなりやすい。サウナで汗をかき続けると、この汗の質が、少しずつさらさらの側へ変わっていくと言われています。汗腺が育てば夏バテにも強くなり、冬はサウナ習慣そのものが冷えにくい体をつくってくれます。岩手のように夏と冬の落差が大きい土地では、この体温調節力が一年を通して効いてきます。

サウナと日焼けの順番:先にサウナが正解

日焼けをするなら、サウナは先か、あとか。答えは「先」です。

サウナで温まった肌は、血管がひらいて水分をたっぷり抱え、やわらかい。毛穴もゆるんで、汗が古い汚れを流しています。この整えられた肌で太陽の下へ出ると、色が均一にのりやすく、焼けムラが出にくくなると言われています。サウナは、日焼けの前のちょっとした準備運動のようなものです。

順番を逆にすると、事情が変わります。太陽をたっぷり浴びた肌は、内側に熱をため込んで軽い炎症を起こしかけた状態です。そこへサウナの熱を重ねると、火照りが強まり、水分が奪われ、肌はカラカラに。のぼせやめまいの報告もあります。日焼けは肌にとって、小さなやけどの一歩手前。よく焼けた日の夜のサウナは、体にはひどく過酷です。その日は、冷やして休ませてください。サウナは、また明日で間に合います。

サウナ後のスキンケア手順:保湿が九割

サウナから上がった肌は、毛穴が開いて、やわらかくなって、美容の面では絶好の状態です。ただ同時に、とても無防備でもあります。皮脂の膜が汗と一緒に流れて薄くなり、肌の水分が空気中へ逃げやすくなっている。上がった直後の数分が、勝負どころです。

まず、ぬるめのシャワーでさっと流す。熱すぎるお湯は皮脂まで奪うので、ぬるめが正解。ごしごし洗いも不要です。タオルで、こすらずに、押さえるように拭く。温まった肌は繊細ですから、摩擦は禁物です。

そして本番の保湿。体を拭いたら、なるべく早く。開いた毛穴とやわらかくなった肌は、化粧水のいちばんの受け入れ体勢でもあります。特別に高価なものはいりません。いつもの化粧水を、いつもより丁寧に、手のひらでそっと押し込むように。乾燥の気になる季節は、そのうえからクリームやオイルでふたをして。男性も、サウナ後の保湿を始めると、肌の調子の違いに驚くはずです。外側だけでなく内側からも。水分補給は、肌にとっても、いちばんの化粧水です。(水分補給の話は、こちら。)

髪と唇も忘れずに。サウナの熱は、髪の水分も奪います。サウナハットや濡れタオルで髪を守り、上がったら洗い流すトリートメントで潤いを足す。唇はリップクリームを一塗り。手やかかとにもクリームをひと塗り。この小さな積み重ねが、「サウナに通うほど、きれいになる人」と、そうでない人の分かれ道です。(サウナハットの話は、こちら。)

敏感肌と、注意してほしいこと

サウナは肌にやさしい時間ですが、すべての人に同じようにとはいきません。湿疹やアトピー、酒さのある方、もともと肌が敏感な方は、熱と汗が刺激になることがあります。短めの時間から試し、赤みやかゆみが出たら、無理をしないでください。お酒を飲んだあとは脱水が進みやすく、肌にも体にも負担がかかります。避けるのが賢明です。

レチノールやピーリングなど角質に働きかける成分を使った直後の肌は、とてもデリケートです。サウナの熱と重なると刺激が強くなりすぎるので、しっかり間隔をあけてください。心臓や血圧に持病のある方、妊娠中の方は、美肌より先にまず安全です。サウナに入る前に、必ず医師に相談してください。

自宅サウナなら、ケアまで自由

肌は、こすらないほうがいい。
汗にまかせておけば、たいていうまくいくんです。

施設だと、混んだ脱衣所でケアもそこそこに服を着ることになりがちです。自宅サウナなら、上がってすぐ、自分の洗面台で、いつもの道具で、心ゆくまでケアできます。サウナ、シャワー、保湿、そのまま就寝。この流れが毎晩できる暮らしは、どんな高級美容液より確かな投資だと思います。

汗をかける体は、一生の財産です。岩手・盛岡のD'STYLEは、ハルビア岩手県正規代理店として、美容のためのサウナ習慣づくりもお手伝いしています。汗が出にくい方には、低温多湿でやさしく入れるロウリュ重視のサウナ設置がおすすめです。おすすめの入り方から、どうぞご相談ください。

写真: W.carter (Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0)

D'STYLE
橋本 大治(有限会社D'STYLE 代表)

住田町の山主だった祖父から三代、火と生きてきました。英国RODTECH社認定の煙突掃除 安全インストラクター(東北第一号)。盛岡・国道4号線沿いのショールームにいます。

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