Sauna Guide — Ichinoseki & Oshu
一関・奥州・平泉のサウナ施設
一関は東北の南玄関だ。東北新幹線と東北自動車道が交わり、宮城県との県境に近いこの街は、仙台からでも日帰りで来られる距離にある。奥州市は南部藩の城下町・水沢を中心に発展し、工業と農業が共存する街。平泉は言うまでもなく世界遺産の地だ。この一帯には、岩手県でも特徴的なサウナが揃っている。「古戦場」は一関商事株式会社が運営する施設で、漢方サウナと溶岩サウナを備えた個性的な温浴施設だ。
古戦場
一関市に、これほど語れるサウナがあることを地元の人間はどれだけ誇りに思っているだろうか。4代目・浅野裕美が継承した「古戦場商事」が運営するこの施設は、ただの温浴施設ではない。漢方サウナ室ではHARVIAのストーブが2台稼働し、セルフロウリュが3杯まで可能。鳥海山産の溶岩石を用いた溶岩サウナ(アウフグース)は、石から放射される遠赤外線の質が段違いだ。奥羽山脈の地下水19℃・井戸水かけ流しの水風呂は、一関の大地そのもの。炭酸水素イオン泉の露天風呂、クラウドファンディングで実現したウッドデッキ、カレーとオロポ——これだけの要素が900円で揃う。
一関温泉 山桜桃の湯
「山桜桃」と書いて「ゆすら」と読む。ユスラウメはバラ科の果樹で、東北の農家の庭先によく植えられてきた木だ。この施設の名前にはそういう土地の記憶がある。一関温泉の湯を使った天然温泉で、サウナは85℃という優しい設定だ。年配の方、温泉をゆっくり楽しみたい人、高温に慣れていない人に対して、サウナを「身構えずに入れる場所」として開いている。
朝5時からという早朝営業は、一関の農業従事者や物流関係者が仕事前に汗を流すために使う文化を支えている。18℃の水風呂は一関の地下水を感じる柔らかさで、85℃のサウナから出た後の肌に馴染む。温泉との組み合わせが自然で、サウナを「温泉の前菜」として使う入り方が合っている施設だ。
石田食堂ワシントン
「石田食堂ワシントン」という名前を見て、最初に何を想像するだろうか。アメリカの首都ではなく、奥州市にある温浴・食堂複合施設だ。名前の由来については諸説あるが、地元の人間には「あそこ」で通じる。それだけ長く地域に根付いてきた場所ということだ。
96℃という温度は奥州市の温浴施設の中では高い部類で、700円という料金を考えると非常にコスパが高い。食堂が併設されているため、サウナ後にそのまま食事ができる。奥州市は農業・畜産業が盛んなエリアで、近郊の農家や農作業関係者が仕事後に立ち寄るという使われ方をしてきた。働いた後のサウナに、食事が待っているという組み合わせは理にかなっている。水風呂は19℃で適温。
うたたねカフェ さくらの湯
「うたたね」という言葉は、意識があるような、ないような、ちょうど眠りに落ちる手前の状態を指す。サウナで言えば、水風呂の後、外気浴のチェアに横たわって「ととのい」が来た瞬間がそれに近い。施設の名前がその感覚を先に約束しているようで、入る前から体が緩む。
94℃・18℃という設定は、ととのいに向けて設計された温度差だ。カフェエリアでは充実したドリンクと食事が用意されており、サウナ後の休憩がそのまま食事の時間になる。石田食堂ワシントンとはまた異なる、「寛ぎ」を中心に設計された施設という印象を受ける。奥州市で2か所の温浴施設を使い分けられる余裕があるのは、この街のサウナへの関心の高さを物語っている。
舞鶴の湯
舞鶴という名前は、鶴が舞うような優雅さを感じさせる。奥州市の温浴施設として、600円という地域に根ざした料金設定で長く続いてきた施設だ。94℃・18℃という設定で、管理が安定しており使いやすい。さくらの湯や石田食堂と近い奥州エリアに、これだけの選択肢があることは、市内のサウナ文化の厚みを示している。静かな雰囲気で、地元の常連が集まる施設だ。
DATA NOTE
施設情報(温度・料金)はD'STYLEが実際に訪れた際の情報をもとにしています。温度・料金・営業時間は変更されることがありますので、最新情報は各施設の公式情報でご確認ください。情報は2026年10月時点のものです。
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